この夏、私はある実験をしていた。
会う人会う人に靴下をプレゼントしていたのです。
友人やクライアント、メディア関係者から国会議員秘書まで、その数、ざっと30足。
仕掛けはこうだ。
『アパレル関係の方からごっそり靴下をいただいたので、お会いする人に配って歩いてます。1足どうぞ!』と説明し、様々なブランドを入り混ぜた4~5足の靴下を見せる。
色・柄もバラエティーに富んでいる。

面白いことに、ほとんどの人が同じプロセスで靴下を選定していた。
まず、色や柄の好みから『これがイイです』と即決します。
ですが、選定外の靴下を見渡し、ブランド名を確認すると、ポロ・ラルフローレンとかカルバン・クラインとかを選び直すのです。
『やっぱりこちらにします』と。
最終的に選ばれるものは、高いブランドイメージを持つものです。
皆、こちらが聞いてもいないのに、靴下を選び直した理由を言うのです。
『誰も選びそうにないものにしときます』とか『いつも地味路線なので、たまには派手目に』とか。
謙虚に選びましたよ、という印象が残るような発言をします。
『ブランド名で決めました』と言った人はゼロ。
ですが、その行為は紛れもなくブランド信仰でした。
この実験で私の出した答え。
【人は品質よりも、イメージで決断する】
これは飲食店を選定する基準も同じだと思うのです。
お客さんはファサードや看板、サイン類のイメージで入店の判断をしていることが少なくありません。
飲食店である限り、商材である『飲食物』の品質が大切なことはいわずもがなです。
品質を築くことと同等に、イメージも重視しなくてはいけないのです。
ブランド構築こそ、企業や店舗が真剣に取り組まなくてはならないテーマ。
ですが、ブランドは一日にしてならず。
ブランド構築には、高い志と、地味な努力の積み重ねが必要です。
企業として店舗として人として、品格がなくては築けないもの。
ブランド力を付けたければ、まずは自分を磨くことからだな、と思うのです。
靴下選びに話しを戻しますが、靴下の中にはブランド力は低くても、高品質なモノを混ぜていたのです。
ブランドに惑わされず、それらを真っ先に選んだ人が2名だけいました。
2人とも、深い考察力が求められる職業の方でした。
このモノ選びができる人は素敵です。