ところで、テラス席といえばもう一軒、好きなカフェがある。 東京の美術館で好きなのは、松涛美術館、品川の原美術館、ブリヂストン美術館。ロンドンのナショナル・ギャラリーやMOMAみたいな美術館はそりゃあわくわくするけれど、それでも、どちらかといえばこぢんまりした美術館を好きだと思う。 目黒の庭園美術館もそのうちのひとつで、建物からしてとてもいい。アール・デコの邸内を歩いているだけで気分がいいし、企画展も品が良くて好きだ。季節の花が咲き、秋だったらどんぐりが沢山落ちている庭園があるので、美術館から出てきた後にはいつも散歩することにしている。 その庭園美術館の門の近くにカフェがある。なんと、あの料亭金田中(一見さんお断りだからもちろん行ったことがない)の経営なる和カフェで、天気のいい日は陽がさんさんと差し込むテラス席があるのだ。 お昼の丼や麺も美味しいのだけれど、ついついいつも甘いものを頼んでしまう。黒みつをたっぷりかけた葛きりとか、きな粉の白玉とか、青海波もようの焼きりんごとか。 金田中といってもカジュアルだし、お店構えは至ってシンプルだし、上品な量だし、それでもなぜか本当に好きで、近くを通るとついついお店に入ってしまう。たぶんそれは、テラス席の魔法というやつで、やっぱり風に吹かれながら食べる何かは少し特別で、だから、少し余計に美味しいのだ。  黒みつ+きなこの白玉。ほろほろ甘い。 |