友人が経営するレストランで、4年間社員がひとりも辞めていない店があります。
慣れたスタッフがオペレーションするので、お店のコンディションは当然良い。
西東京に3店舗のレストランを経営している
マザーズ の店だ。
1年ほど前に、当時6歳の息子と共に来店したときの感激は今でも忘れません。
料理や飲み物の品質が高く、お出迎えからお見送りまで非の打ち所がないものだった。
そして、息子を一人前の人間として対応してくれたのだ。
今でも息子は誕生日が近づくと 『マザーズでタコのパスタを食べたい!』 とリクエストを出すのです。
来店時に 『私は社長の知り合いです』 などと、野暮なことは言わずに食事を楽しんでいる。
つまり、誰であっても同じ対応を心掛けているのだ。
スタッフは活き活きと心地良い緊張感の中で、接客や調理を楽しんでいるように見える。
『辞める』 という発想が起こらない環境なのだと思う。
社長の保村良豪(ヤスムラヨシタケ)さんは 『スタッフが成長できる環境を造ること』 が社長の仕事であり 『会社(店舗)はスタッフの将来につながる場所であるべき』 と言い切る。
毎月定期的に営業時間を短縮してまで、スタッフ教育の時間をつくっている。
そんな時間がスタッフのモチベーションを向上させていることは想像に容易い。
マザーズのスタッフにとって、職場は単に時間を費やしお金を稼ぐ場所ではないのだ。
昨今は行く先々で 『人材難、採用難』 の話しを聞かされる。
今のスタッフはレベルが低いとか、求人広告を出しても人が集まらないとか嘆かれると、正直うんざりする。
そんな後ろ向きな話しをしないでほしい。
日本の労働力は急速に低下しているので、人が採用し難いのは当たり前。
外食産業のような過酷労働産業では、働き手が不足しがちなのは当たり前。
資本力を持つ企業が採用に力を入れるので、中小の組織に人が集まり難いのは当たり前。
採用を軽視しているわけではありません。
接客や料理に向いている人を採用することは、とても大切です。
ですが、今は入口を広げる(採用)話しは時代と逆行しているし、望みが薄いです。
出口を絞る(従業員満足向上)ことにこそ、注力するべきです。
外食産業は完全に 『人ビジネス』 。
モチベーションが高まる環境を造り、適切な教育を継続させることが重要。
教育に力を入れずに、採用の手法を模索することは愚かな行為だと思うのです。