ほんの少しだけ会社や家から遠いので普段はなかなか足が向かないのだけれど、行ってみたらとたんに「ここ好きだなあ」「またこよう、絶対」と思うお店が中野にある。第二力酒造。第二、というからには第一があったわけですが、昔、新井薬師の方にあったそこはもう閉店、今は第二と第六、第七があるそうですが、わたしは第二しか行ったことがありません。
初めて行ったのは何年前だったか忘れたけれど、とにかく秋になると毎年、あそこの松茸が食べたい、秋刀魚の焼いたのが…、牡蠣が……、と必ず思うお店であります。一見、気取らない普通の居酒屋。。でもとにかく美味しくて、いつも繁盛している。カウンター前に並べられている魚介の数々を眺めていると、どれもこれも食べたくなる、そんなお店です。
と、いうことで、秋刀魚、秋刀魚、と唱えながら行ったのですが、なんとこの日は秋刀魚は売り切れ。出遅れた……、と涙に暮れながら牡蠣を頼む。海の香り。美味しいです。『森は海の恋人』という本を読んだことがあって、それによると美味しい牡蠣を育むのは森なのだそうなのだけれど、海と森に感謝しつついただきます。

で、松茸。土瓶むしも絶品ですが、ただ焼いたのが一番好きです。ぎゅっと酢橘を絞って。
この後、天ぷらやらおからやら焼き魚やらいろいろいただいたのですが、食べるのに夢中で写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。黙々とただ食べる。
焼き魚は、皮はカリッと、中はしっとり。この、外はカリッと中はジューシー、というのは、いろんなものに共通した美味しい秘訣ですよね。ホットケーキしかりハンバーグしかり、たこ焼きだってそうだし大判焼きもそう。もしかしたら人間も、そんな人がいいかもしれない。硬い外見、中身は涙もろくてセンチメンタル、なんて。
そして、「まだ食べるか……」という皆さんの視線にも負けず、この期に及んでいくら丼を頼むわたし。

ここ、雰囲気は本当に大衆居酒屋。賑やかに、たっぷり、美味しい、という感じ。おばちゃんたちのサービスも大雑把だけど優しくて居心地よくて、大好きなお店なのでした。
来年もきっと、秋になったらこのお店のことを思い出すに違いない。しかし、秋刀魚のリベンジをいつかどこかでしなくては……。