プロフィール


名前:速水 桃子

出身地:神奈川県

趣味: 写真を撮ること(フイルムカメラ万歳!)

某教育大学教育学部卒(言語学専攻)。
小学校の時の卒業アルバムに、「夢はコンピュータプログラマー」と書いてあったのを最近発見し驚愕しました。
1999年から外食産業向のシステム開発に携わり、POSから本部システムまで、トータルで提案できるのが強みです(たぶん)。
仕事抜きでも、レストランという場所が大好き。


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炊き込みご飯と水炊き  (速水)

炊き込みご飯と水炊き  (福茂千 茂樹)

オーバカナル  (速水)

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炊き込みご飯と水炊き   2008年11月04日

うちの栗ご飯


 久しぶりに実家に帰ったら、母が炊き込みご飯を作ってくれた。栗と銀杏、細く切ったにんじんに油揚げ。薄めの出汁でたっぷり炊いてお茶碗に盛り付け、少しだけ紅しょうがを添える。小さいころから何度となく食卓に上がっていた、大好きな炊き込みご飯。冷めたらおむすびにしておいて夜食にしてもいいし、お弁当にするのもいい。いくつになっても、誰かがつくってくれるご飯はとても美味しくて、ついついおかわりまでしてしまった。

 ところで、炊き込みご飯はどうも春や夏より秋や冬の方が美味しい気がする。それでは春や夏に恋しくなるものはなにかというと、ちらし寿司で、ちらし寿司が食べたいな、と思うと、わたしにとってはそれが春の兆しなのだ(大袈裟な!)。


 もう少し秋が深まるとお鍋の季節がやってくる。鶏の水炊き、すき焼き、湯豆腐、牡蠣鍋、チーズフォンデュなんていうのも鍋の類か。今まで食べた一番印象深い鍋料理は、ある割烹旅館で出てきた松茸と鱧のしゃぶしゃぶだが、いつも食べたいお鍋というと、やっぱり懐かしい鶏の水炊きで、これも、冬の我が家の定番だった。 
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テラスにて   2008年10月30日
 ところで、テラス席といえばもう一軒、好きなカフェがある。

 東京の美術館で好きなのは、松涛美術館、品川の原美術館、ブリヂストン美術館。ロンドンのナショナル・ギャラリーやMOMAみたいな美術館はそりゃあわくわくするけれど、それでも、どちらかといえばこぢんまりした美術館を好きだと思う。
 目黒の庭園美術館もそのうちのひとつで、建物からしてとてもいい。アール・デコの邸内を歩いているだけで気分がいいし、企画展も品が良くて好きだ。季節の花が咲き、秋だったらどんぐりが沢山落ちている庭園があるので、美術館から出てきた後にはいつも散歩することにしている。
 
 その庭園美術館の門の近くにカフェがある。なんと、あの料亭金田中(一見さんお断りだからもちろん行ったことがない)の経営なる和カフェで、天気のいい日は陽がさんさんと差し込むテラス席があるのだ。
 お昼の丼や麺も美味しいのだけれど、ついついいつも甘いものを頼んでしまう。黒みつをたっぷりかけた葛きりとか、きな粉の白玉とか、青海波もようの焼きりんごとか。

 金田中といってもカジュアルだし、お店構えは至ってシンプルだし、上品な量だし、それでもなぜか本当に好きで、近くを通るとついついお店に入ってしまう。たぶんそれは、テラス席の魔法というやつで、やっぱり風に吹かれながら食べる何かは少し特別で、だから、少し余計に美味しいのだ。


  
 黒みつ+きなこの白玉。ほろほろ甘い。
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オーバカナル   2008年10月27日
 外でご飯を食べるのが好きだ。公園のホットドッグとか、芝生の上のおにぎりとか、海辺の焼きそばとか、屋台のおでんとか。しかもそれが今の季節なら尚更。空気が冷えてきてだんだんと澄んでくるのと、風が吹くのがいいのだ。
 だから、それがレストランでもカフェでも、テラス席があれば思わずそこに座ってしまう。風がびゅうびゅう吹く日でも、雪がはらはら降る日でも、一向に気にならない。

 少し前の日曜日、試験を受けるのである大学まで行き、午前のマークシートが終わったところで外へ出た。久しぶりに頭を使ったのでお腹がペコペコだったし変に喉が渇いていて、できれば美味しいコーヒーが飲みたかった。
 品川駅に向かってぶらぶらと歩いていると、懐かしい看板が目に入る。オーバカナル。原宿店が閉店してしまって以来、何度か赤坂のお店に行ったきりだけれど、こんなところに新しいお店ができたなんて知らなかった。

 坂に面したテラス席に座り、ペリエとカプチーノ、それとパテのサンドイッチ。ここのフランスパンは本当に美味しい。パリパリといい音をさせながら食べていると、気持ちのいい風が吹く。隣では、かわいいフレンチブルを連れた女性がふわふわのオムレツを食べている。少し向こうの方では、これから結婚式なのだろうか、盛装したグループがワインを飲んでいて賑やかな感じ。午後の試験さえなければもう少しのんびりしていたいくらいだ……、などと思いつつ、パン屑を掃ってお店を出た。お店を出てしばらくしてからも、カプチーノの泡とパンの香ばしさが鼻先を漂っている気がした。

  



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秋刀魚、リベンジ   2008年10月21日
「魚沼」ってなんだか特別な場所のような気がする。日本全国の土地の中で一番肥沃で、魚沼では何を育てても美味しくできる……、なんて聞いたことがあるせいだろうか。

新潟に出張に出かけた帰り道、せっかくだからと越後湯沢で途中下車した。わたしより美味しいもの好きの上司が、「サカナ、サカナ……」と呟きながら歩いていくのを追いかけつつ、ちょうどそこにあったお米屋さんに入り、このあたりの美味しいお店を聞く。
 
そこが美味しいよ、と言われて入ったお店で、のど黒の焼いたのに秋刀魚のお刺身、海老、はたはた。のど黒は絶品で、カリカリ、ふわふわ、確かな味がする。帰りの新幹線の時間を少しだけ気にしつつ、皆で盛大に食べる。それにしたって、どれもこれも美味しくて、これはここが魚沼だからか、それともこのお店が特別美味しいのか、などと思いながらお腹いっぱいでお店を出た。

それにしてもリベンジにしてはできすぎだった、美味しかったなあ、と駅への道を歩いていたら、「あんなお店が会社の近くにあったらいいのにね」と、上司が言う。その口調があまりにもしみじみしていたので、皆で少し笑った。



ちなみにお店はここ。http://ww51.et.tiki.ne.jp/~hifumi/index.html ごちそうさまでした。

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(秋刀魚、)松茸、牡蠣、その他   2008年10月17日
 ほんの少しだけ会社や家から遠いので普段はなかなか足が向かないのだけれど、行ってみたらとたんに「ここ好きだなあ」「またこよう、絶対」と思うお店が中野にある。第二力酒造。第二、というからには第一があったわけですが、昔、新井薬師の方にあったそこはもう閉店、今は第二と第六、第七があるそうですが、わたしは第二しか行ったことがありません。

 初めて行ったのは何年前だったか忘れたけれど、とにかく秋になると毎年、あそこの松茸が食べたい、秋刀魚の焼いたのが…、牡蠣が……、と必ず思うお店であります。一見、気取らない普通の居酒屋。。でもとにかく美味しくて、いつも繁盛している。カウンター前に並べられている魚介の数々を眺めていると、どれもこれも食べたくなる、そんなお店です。

 と、いうことで、秋刀魚、秋刀魚、と唱えながら行ったのですが、なんとこの日は秋刀魚は売り切れ。出遅れた……、と涙に暮れながら牡蠣を頼む。海の香り。美味しいです。『森は海の恋人』という本を読んだことがあって、それによると美味しい牡蠣を育むのは森なのだそうなのだけれど、海と森に感謝しつついただきます。

 牡蠣

 松茸

 で、松茸。土瓶むしも絶品ですが、ただ焼いたのが一番好きです。ぎゅっと酢橘を絞って。

 この後、天ぷらやらおからやら焼き魚やらいろいろいただいたのですが、食べるのに夢中で写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。黙々とただ食べる。
 焼き魚は、皮はカリッと、中はしっとり。この、外はカリッと中はジューシー、というのは、いろんなものに共通した美味しい秘訣ですよね。ホットケーキしかりハンバーグしかり、たこ焼きだってそうだし大判焼きもそう。もしかしたら人間も、そんな人がいいかもしれない。硬い外見、中身は涙もろくてセンチメンタル、なんて。

 そして、「まだ食べるか……」という皆さんの視線にも負けず、この期に及んでいくら丼を頼むわたし。

 いくら丼

 ここ、雰囲気は本当に大衆居酒屋。賑やかに、たっぷり、美味しい、という感じ。おばちゃんたちのサービスも大雑把だけど優しくて居心地よくて、大好きなお店なのでした。
 来年もきっと、秋になったらこのお店のことを思い出すに違いない。しかし、秋刀魚のリベンジをいつかどこかでしなくては……。
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秋刀魚の歌   2008年10月07日
 「あはれ秋風よ情あらば伝へてよ」……と始まるのは切なくも美しい佐藤春夫の「秋刀魚の歌」だが、そういえば今年の秋は、まだ秋刀魚を食べていない。
 と、そう思ったらどうしても秋刀魚が食べたくなって、秋刀魚、秋刀魚、と思いながら仕事をしている。夏の終わりに今年最初の秋刀魚の噂を聞いたのだが、あの時にはどうもまだ、食べる気がしなかったのだ。
 「旬」ってそういえばどこに行っちゃったんでしたっけ。一年中、何でも食べられる世の中は、便利だし、嬉しいけれど、ほんの少しだけつまらない。
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甘い、おはぎ   2008年09月09日
 少し前のこと、お客様と有楽町を歩いていたら「あそこのおはぎ、知ってる?」と言われた。知りません、と首を振ると、すッごく美味しいんだよ、と力説されたのでずっと気になっていた、イトシアにある「おかめ」。ある夕方に通りがかると、たまたま人が並んでいなかったので、いそいそと店内に入る。

 中は、狭くて美味しい甘味やさん、という感じ。一人だったので端の席に通してもらい、おはぎを頼む。きなこと、あんこをひとつずつ。程なく出てきたそれは、出来立てなのかまだほんのり温かく、ほろほろと甘かった。ご飯の具合がとてもよくて、とても美味しい。家でつくるおはぎみたいにたっぷり大きくて、二つ食べたらお腹が本当に一杯になった。

おかめのおはぎ


 隣では、お父さんとちっちゃな女の子が、向かい合ってかき氷とあんみつを食べている。あっちには、賑やかな女性グループ。みんな一様ににこにこしていて、そういえば、甘いものを食べながら怒る人っていないよな、と思う。わたしだって、どんなに怒っていても、目の前に甘いおはぎを出されたら頬がちょっとは緩んでしまうに違いない。つまり、それが、甘いものの効用、ということなのかもしれない。
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Nostalgie   2008年09月05日


 プロフィールに、趣味は写真を撮ること、と書いたのだけれど、写真は撮るのも見るのも好きだ。……と、言うわけで、先日のこと、ちょうどいい具合にいい場所で時間が空いたので、8丁目から3丁目まで銀座を歩いた。目的地は、3丁目のシャネルのビル。ネクサス・ホールの写真展を見たかったのだ。Nostalgieと題されたそれは、「マグナムの写真家が見つめたパリ」という副題がついていて、全てモノクロの写真で構成されている。

 聳え立つビルに入り、ブティックを通り抜け奥のエレベータで4階まで。ハイブランドの凱旋店、なんていうと少し気後れするけれど、シャネルのこのビルだけは少し親しみやすい感じがする。なぜかと言うと、たぶん最上階にレストランが入っているからだ。そこにレストランがある、と思うだけで、そこはわたしにとっては少しだけ自分に近しい場所になる。わたしにとって、レストランは仕事の場であり、たくさんの時間を過ごしてきた場所であり、いつも自分の近くにあった場所だから。

 それはそうと、エレベータを降り静かなフロアに進むと、そこにはたくさんのパリがあった。わたしはパリを本当には知らない。だから、パリへのあこがれも限定的なのに、どうしてパリ、と聞くと、こういう気持ちになるのかよく分からない。「こういう気持ち」というのは、自分もこの街にいたかった、というのとは少し違うし、記憶の風景が懐かしい、というわけでもない、疎外感と親しみがないまぜになったような気持ちのことだ。

 人も少なく、ゆっくりと歩いた。行ったり来たり、戻ったり。ひんやりとした部屋の中でじっくりとパリに出会い、ぼんやりと外に出たら、そこは夏の終わりの銀座で、ああここは東京だったんだっけ、とぼんやり思った。
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夏の味   2008年09月04日
 夏ももう終わり、なんて思ったとたん惜しくなって、あわててかき氷なんて食べている。
 夏の飲みものと言えばカルピスか麦茶なのだけれど、食べものだったら素麺かかき氷だ、と思う。素麺には、三つ葉が入ったかき揚げがついていなければいけないし、かき氷には杏がのっているといい。

 今住んでいるところの近所にはクラシックなフルーツパーラーがあり、アンティークなショーケースを横目で見つつ軒先をくぐるように店内に入ると、お母さんがのんびりと迎えてくれる。今の時期はなんといってもかき氷なのだが、そこでは「フラッペ」という名前がついていて、赤や緑のシロップでなく果物のジュースがかかっている。ゆったりと音を立てて回るかき氷機の風情やら、トントンと果物を切るお母さんの様子やら、店内のぬるい空気をかき回す扇風機やらと相まって、昭和の正しいかき氷、という感じである。ここの「氷フルーツ」(「フルーツ氷」だったかもしれない)は、ごろごろと桃やらりんごやらメロンやらが入っていてとても美味しい。

 昔から、かき氷という食べ物が好きだ。
 ほんのり甘くて、たちまちふわりと溶けていく。水が凍ってこんな食べものになるなんて、どちらかといえば奇跡みたいだ、と思う。

かき氷(これは、銀座某所のかき氷。この宇治金時もとても美味しい)
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ホットケーキ!   2008年07月11日
 自分でつくるより、誰かにつくってもらうほうが美味しいものがある、と時々思う。たとえばオムレツとか、カツレツとか、スパゲッティナポリタンとか。つまり、ちょっとだけ日常からはみだして、でも親しげな一皿。たとえば同じ卵料理でも、卵焼きは自分でつくる。(そういえば、実家の毎日の献立の中にも、「オムレツ」は、なかったかもしれない。)
 ホットケーキも、わたしにとってはそういう食べ物だ。好きだから、家でもたまに焼くのだけれど、ときどき誰かが焼いてくれたのを食べたくなる。誰かが入れてくれたコーヒー、誰かが作ってくれる食事、誰かが絞ってくれるオレンジジュース。どれも自分でつくるものより、ほんの少しだけほんのり甘い。

 先日ふと、ホットケーキが食べたくなったので、電車に乗って食べに行った。近所で評判のホットケーキ。聞けば随分老舗らしい。
 ビルの中の小さな喫茶店は、入るなり甘い香りがしていた。注文を受けてから焼くそうなので、待つこと十数分。やっとありついたホットケーキは、ふかふかの生地がかりっと香ばしく、ナイフを入れると溶けたバターがじゅっと沁みて、小麦粉とバターの香りがふわふわと鼻先を漂い、大変美味しかった。
 ふと顔をあげると、お店の中のお客さんは皆一様ににこにことホットケーキを食べていて、ホットケーキってこんなに幸せな食べ物だったんだな、と、ぼんやり思った。

ホットケーキ

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