プロフィール


名前:松尾 満治

出身地:長崎県

外食に従事して30年を期に「ふらんす亭」を譲渡、外食で夢を追う人を対象とした「松尾本気塾」を今年6月から開催する。また、「ふらんす亭」を運営する株式会社フードデザインの顧問として、社員研修に携わっている。


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無題   2008年01月03日
明けましておめでとうございます

昨年は大勢の方に読んで頂き、またいろんな方にコメントを書いていただき有難うございました。

にもかかわらず、7月以来ぱったりとブログを書かなくなってしまいましたことを読んでくださっていた方々とともに、私にこの場を与えてくださった関係者の皆様にお深く詫びいたします。

実は何度かお店の印象や、世の中の事件についてコメントを書き始めました。しかし、その度にある言葉が浮かんでくるのです。「自分がやっていた店はちゃんとやれていたのか、社員の気持ちはどうだったのか」という言葉です。すると、後は何にも書けなくなりました。

社長時代には、お客様からの直接社長宛のおしかりのはがきが毎日何通も届き、それらを読むたびに、目を覆いたくなるような気持ちになっていました。またお店を周ると、社員達が深夜まで必死に頑張っている姿があり、その彼らが疲れきっていても、週一回の休日さえ与えられない状況だったりすると、感謝というよりむしろ申し訳ないという気持ちの連続で、教育どころか労働環境すら整備できていないことがしばしばありました。

こんな立場だった私が、偉そうに他の店や人の事をとやかく言える訳がない・・・

しかし、多くの方とお会いするたびに「ブログ楽しみに読んでますよ」とか、意外な方から『最近書いてませんがどうしたんですか』などと言われることがありました。

私が思っているより大勢の人に読んでいただいており、またほんの僅かでも何らかのお役に立っているとすれば、ご批判は謙虚にお受けしながらも、この際居直って、新年を期に再びブログに挑戦させていただこうと思いました。

名づけて「自分のことは棚に上げたブログ」です。

そういえば、虫歯の歯医者さんもいるし、音痴の作詞家もいたし、「不都合な真実」で地球の温暖化を世界に訴えて、ノーベル賞を貰ったアメリカのゴアさんの屋敷だって、光熱費が一般住宅の何十倍もかかる豪邸だそうですし・・・

とにかく自分勝手な決意文はこのくらいにして、近々に2008年版松尾本気塾ブログを書かせていただきます。
では皆さん、お互い今年も頑張っていい店をたくさん増やしましょう。

本年もよろしくお願いします。
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-No.4- 心まで冷やすモノ・・・   2007年07月18日
76歳になる母は膝が悪く、その治療の為に月に二度横浜の治療院に、私が車で送り迎えする以外めったに外出はしない。
ましてや、外を歩くことはない。
先週の土曜日は治療の効果があって、(おそらく一時的だが)珍しく自分から元町を歩きたいと言い出した。
極端に歩く速度が遅いので、人ごみに中での転倒を案じながらも駐車場から50メートルぐらいの範囲で30分ぐらいのウィンドーショッピングを楽しんだ。

母 「いいねー」 「気持ちがいいねー」

 今の時期、雨でも降り出したら杖とかさで両手がふさがると大変だな。

母 「元町はいいね。」 「気持ちがいいね」

 帽子屋さんで気に入った帽子が見つかった。相変わらずおしゃれ心は残っているようだ。

母 「久々に足の調子がいいから、中華街も歩いてみたいね」 「気持ちがいいから珍しくおなかまですいてきたよ」「うれしねー」

 まいったなあ 中華街はもっと混んでて危険だぞ。近場の駐車場が見つかれば何とかなるか


・・・・・・何とか駐車場がみつかり、行列やお待ちがない近場の中華店に入り込む・・・・・・

母 「何とか無事にたどりついたね」 「運がよかったねー」「うれしいねー」

母 「お腹がすいたなんて感覚は久々だよ」 「あっさりした冷やし中華がいいね」  「今日は何もかも、うれしいねー」

                 30分後 

母 「他のテーブルが早いのは、コース料理だから、きっと作り置きしてあるからだよ」「冷やし中華は、その都度ゆでるから時間がかかるんだよ。」「きっともうすぐくるよ、楽しみだねー」

                更に10分後

白濁して、まったくツヤをなくし、固まってしまった麺の上に、白っぽく乾燥したきゅうりと焼豚、そして紅しょうがが立てかけてあり、挙句の果てにそのきゅうりと焼き豚の上には、ついさっきまで別の皿が上から重なっていた痕跡が、くっきりと付いた冷やし中華らしきものが、「ドン」「ドーン」とテーブルに置かれた。

・・・・・・・・・・いったいこの冷やし中華は何時間ぐらい冷蔵庫の中で眠ってたんだろう・・・・・・・・・

母は「おいしいねー」と言うきっかけを何とか探りながら、でもやっぱり無言で、冷やし中華(?)ののびきった麺以外の部分を口に運び続けてくれた。

雨に濡れる心配があっても、足を引きずりながらよちよち杖を突いてでも、何年か振りの嬉しい時間を求めて、高ぶっていた母の気持ちをこの一皿の料理は、一瞬で見事に冷やしてくれた。「さすが冷やし中華」(苦笑)

                帰りの車中

私 「最後が、がっかりだったね」

母 「最近私はね、腹が立つことには反応しないことにしてるんだよ」「考えない、気にしない、口にしない」

母 「すると いつの間にか楽しいことばかり起きているような気になってくる・・・」 

私 「・・・・・ ゴメン(ご麺)」

 勿論私がこの冷やし中華を作ったわけではないけど、一応外食の世界にいる一人として、このお年寄りに責任を感じた。
 こんな言い方、偉そうに聞こえるかも知れないけど、正直あの「ゴメン」は、案内役としてのゴメンではなかったと思う。・・

母 「今日は楽しかったね」「気持ちよかったねー」「いい帽子が買えてよかったねー」「ありがたいねー」

母 「元町で、おいしそうなパン買っといてよかったね。」「運がいいね、ありがたいね、-」
          
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今から確か15,6年前に話題になった、「一杯の掛けそば」と言う絵本を思い出す。話題になった直後、作家の品性が取りざたされて、けちが付いてしまったが、食べ物を扱った物語としては素晴らしかったと思う。食べ物が持つ幸福感が実感できる。外食人なら一品の料理の持つ重みを知るために是非読むべきだろう。

食べ物を粗末にする時代が続いている
食べ物をおもちゃにするテレビがたくさんある
食べ物を燃やして、車に食べさせたほうが、地球の為だなんていってる国もある

私たち外食人は、食べ物をつくり、それを食べていただくことで、お客様と自分そして自分の家族を幸せに導く最前線にいる。

空腹を満たす手段にとどまらない、人の心にとっての食べ物の持つ本当の力を、われわれ外食人は、こんな時代だからこそ確実に伝えなくてはならないと思う。

たとえ人の幸せを考えることが苦手だとしても、少なくても心まで冷やしてしまう冷やし中華だけは、外食人なら、決して提供ないでほしい。
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-No.3- 冷奴とシステム   2007年07月11日
近所のコンビにでお昼の弁当を調達しているときです。いつものように、カロリー表示と食欲の間に挟まりながら幕の内弁当とサラダと冷奴を手にしてレジに行きました。するとレジのお姉さん(?)がサラダと弁当をレジに打ち込んだ後、別の冷奴をダッシュで持ってきて交換しようとしてくれました。

私     「期限切れ?」
店員さん 「まだ大丈夫なんですが。そろそろ時間が迫っているんです」
私     「じゃあ、すぐ食べるから、大丈夫だよ」
店員さん 「いいえその判断は、私じゃなくレジがするんです。この冷奴はもうレジが受け付けません」
私     「・・・・」

すごいですね。もう私の住んでいる世界はこんなところまで来ていたんですね。これじゃ間違って売ってしまうなんて事絶対無い。安心ですね。安全ですね。

提供するお店も、それを食べる本人も了解していても、システムがそれを許さない!人間の判断が入らないからミスが起こらない。

スゴイ!!

安全、安心、便利、これらは人間には優しい言葉です。でも時として地球にはちっともやさしくない言葉だって知ってました?

人間の勝手、先進国の勝手、日本人の勝手だけで安全、安心、便利を謳歌していると、ある日突然、

「君も望んでいるし、会社はもっと君に勤務していてほしいんだ。お互い納得してるんだけどね・・・・でも人間消費期限システムが受け付けないんだ」

あるいは

「二人は愛し合っているし、周りも大賛成。・・・・でもDNAシステムが許さないんだ」

なんて事にならなけりゃいいですね。

核を手にするものには、核の力を超えた人間力が不可欠であることは、原爆の悲劇が証明した。では今のテクノジーを越える人間力の必要性は、どんな悲劇によって我々は気が付けるんだろう。
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-No.2-『スピーカー』   2007年06月20日
昨日、ある外食チェーンのオーナーと一応高級と言われる中華料理店で食事をしました。
その店は抜群の立地にあり、有名店の支店と言うこともあって、数年前に開店したときはかなり広い店内が、いつ行っても混んでいました。
しかし何度かそこに行く間に、レジカウンターの女性が地方から来た家族連れの客にずいぶん横柄な対応をしていたり、青菜の炒め物が素人が炒めたみたいな、どろどろの野菜が出てきたりしたので、自然に足が遠のいていました。

久々にその店に行ってみると、私のまだ顔を覚えているウェイターさんがいてちょっと嬉しくなり、そのウェイターさんに昔薦められて以来必ず注文していた料理を「あのカリカリもください」と注文し、そのウェイターさんも「あのカリカリですね、承知しました」と言った具合に、いい調子で始まりました。その料理は、豚バラを時間をかけて表面がカリカリになるまで多目の油で焼き、塩味でシンプルに仕上げた料理です。(余談ながら、わたしのメタボぶりは進む一方です)以前はメニューになかったランチのコースや飲茶のセット等、なかなかよく考えられたものが登場していました。
抜群の立地、立派な内装、充実した新メニュー、とここまではおそらく上層部が頑張ってそろえたヒットの施策です。さて結果は・・・・

楽しみにしていた豚のカリカリは、焼いた油が酸化していたらしく、ひどい後味だったので半分以上残してしまい、気が付くと一緒に食べていた連れも残していました。そして帰りにはベテラン風のレジ係の無愛想さに思わず苦笑しながら店を出る頃、例のウェイターがあわてて見送りに来てくれた事がせめてもの救いでした。

国内屈指の繁華街にあるにもかかわらず、結局この日のランチは半分ほどしか席は埋まりませんでした。でもそれはたまたまではなく、きっとこの立派な中華料理店は、じりじりと売上を下げ続けているいるのだろうと思います。

こういう場合たいてい店の上層部は、「店は立派だし、やるべきことはいろいろ新手を打って努力している。なのにどうして売上が下がり続けるんだ。場所が悪いのかな?不景気だからな。なるべく早く新しい企画を出す必要があるな。今度はこだわった素材で、女性受けするようにヘルシーなものを考えよう。それともバイキングにでもするか」なんて考え始めます。勿論何をやろうと、結果は見えていますがね.....。

どんなにいい曲のCDを、高級なステレオでかけても、最後に音を出すスピーカーが割れてると、だれも聞いてくれないですよ。なのにまた新しいCDを探してるなんて....。

そういえば、一緒に食事したあの外食チェーンオーナーの言葉が気になります。

「最近売上がイマイチなので、頑張って今までやっていなかった野菜料理を出そうと思います。これで客層が広がリ挽回できると思います。」・・・・・・・?????

皆さんの店のスピーカーは、大丈夫ですか。  
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-No.1- 『外食人よ、心も懐も豊かになろう』   2007年06月18日
26歳のときから始めたふらんす亭の社長としての生活を昨年8月に終えました。

この26年間の出来事を振り返れば、ずいぶん失敗もし、廻り道もしてきました。

退任してから約10ヶ月の間考えていたことは、自分の経験をどう生かして、
生きていこうかということでした。

そして思ったのは、その経験を自分のためだけに生かすのではなく、外食人として
頑張っている人、これから外食人を目指してる人たちにもっと多くの夢を見ていた
だきたい。
そして、その夢を実現するために私の経験を生かしてもらうことが、失敗だらけの
私の外食人生を価値のあるものにすることが出来るだろうということでした。

でも考えてみればあと半月で54歳になるただのメタボおやじです。

この思いを一人でも多くの人たちにどう伝えようかと思いながら、ふらんす亭の元
社員の人(Tさん)に相談したところ、「今時の人はブログを使ったりしますよ」、
と言われ、ブログとやらをやったこともなければ、見たこともなかったくせに、始
めることにしました。

ちなみに、T君は「また松尾さんの熱すぎる話を聞かされる人が出てくるの
か、OhMyGod!!」という表情を満面に浮かべながらこのブログの立ち上げに協力し
てくれました(なんていい奴)。

僕の話はくどくて長いのが欠点ですので、今後なるべくそうはならないようにした
いと思っています。

今日は立ち上がりのご挨拶として、とりとめのないことを書いていますが、このブ
ログの目的はただひとつ、

※外食人よ、心も懐も豊かになろう

です。

では、今後みなさんよろしくお付き合いください。

松尾本気塾のホームページも立ち上げました。
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