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本場で学び、咀嚼し、自分の作るべき料理を考え抜く~イタリア料理の巨匠 日高良実シェフ~

東京・広尾のイタリアンレストラン 「 ACQUAPAZZA 」 のオーナーシェフ日高良実氏。大学進学を断念して飲食の道に足を踏み入れ、3年間のイタリア修行の後に独自のイタリア料理を目指して開業へと至った。イタリアで学んだ“楽しい食事”ができるお店のために、いかなる苦労と考えがあったのだろうか。

第1回 大学進学の断念、フレンチかイタリアンか? 悩んでばかりの飲食の道

本場で学び、咀嚼し、自分の作るべき料理を考え抜く~イタリア料理の巨匠 日高良実シェフ~飲食業に興味を持ったのは高校時代のことでした。とはいっても、職業にするという意識はまったくなく、こういう商売もあるんだなと感じた程度です。ごく一般的なサラリーマン家庭で育ったので、自分も当然大学に進み、会社勤めをするもんだと考えていましたが、私は勉強が好きではなかったんです(笑)。高校時代は、近所の喫茶店に朝から晩まで入り浸っていました。

 

それでも親の期待に応えようと、二浪まで頑張ったんですが、やっぱり、どうしても学問というものを好きになれない。予備校時代もマージャンやパチンコばかりしてたくらいですから(笑)。かといって、すぐに就職ということも考えられませんでした。どうするかとなと思った時に、高校時代の喫茶店のことが頭に浮かんだんです。

 

本場で学び、咀嚼し、自分の作るべき料理を考え抜く~イタリア料理の巨匠 日高良実シェフ~朝のモーニングサービス、ピラフやナポリタンなどのランチサービス、夜はお酒なども出していて夕食もできる。途中には静かな時間が訪れ、コーヒータイムもあったりしました。夫婦二人で仲良く営業されていて、“ あぁ、こういう生活もあるんだな ” という思いが、改めて浮かんできたのです。それで、自分も喫茶店をやってみようと決意したんです。 親からは、「 どないすんねん? 」 と言われていましたので、頭を下げて 「 喫茶店をやりたいので調理師学校に行かせてください 」 とお願いしました。親は泣いていましたね。当たり前ですよね、二浪もさせてやったのに、挙句の果てに 「 大学はあきらめました 」 ですからね。

 

調理師学校の入学式の挨拶で、「 お店を持つんだったら中国料理かイタリア料理が良いよ・・・。」 と副学園長が話されたんです。それが何だか非常に気になって、イタリア料理と経営を履修したんです。イタリア料理を覚えて、お店を経営していく…、完璧でしょ (笑)。ただ、1年間やっても、経営は何を勉強してたのかまるで覚えてないです。

 

本場で学び、咀嚼し、自分の作るべき料理を考え抜く~イタリア料理の巨匠 日高良実シェフ~イタリア料理に関しては、自分が作った物がまったく美味しくなかったんですよ、これが(笑)。まず、チーズに馴染がなかったんです。初めて作った料理が 「チーズのリゾット」。でした。“ご飯” に “チーズ” と考えると、気持ち悪かったですね。それに匂いもきつかったです。それから 「ウズラの詰め物」。一羽のウズラの羽を抜いて、毛をむしって、お腹を切って詰め物を入れる。可哀想で、それもまた美味しくなくってね。当時は、イタリア料理に美味しいというイメージはなかったですね(笑)。

 

就職する頃は、イタリア料理店があまりなかったです。当時の神戸には、4軒程度だったでしょうか。それもあって、学生時代からバイトをしていた 「塩屋異人館倶楽部」 という神戸のフランス料理店に、そのまま勤めるのがいいだろうと思って、安易に就職してしまいました。就職後しばらくして神戸ポートピアホテルができ、フランス料理の三ツ星レストラン 「アラン・シャぺル」 が入ることになったので、そこの就職試験を受けました。

 

塩屋異人館倶楽部退職からアラン・シャペル入社まで 4ヶ月ほどあったので、もう一度イタリア料理を見てみたいと思って、神戸の4軒を順番に電話しました。そのうちの 「 DONNAALOIA(ドンナロイヤ) 」 が、ホールでよければとアルバイトをさせてくれたのですが、そこで衝撃的な出会いがあったのです。

 

本場で学び、咀嚼し、自分の作るべき料理を考え抜く~イタリア料理の巨匠 日高良実シェフ~ドンナロイヤの賄い料理は、昼は中華や和食、夜はパスタでした。最初の 2ヶ月間は、いろいろな種類のパスタを食べていたのですが、残りの2ヶ月は毎日カルボナーラでした。「 今日は何にする? 」 と聞かれると 「 カルボナーラが良いです 」 とお願いしている。次の日は、別のパスタにしようと思うのだけれど、やっぱりカルボナーラを頼んでしまう。毎日食べても飽きない料理というものが存在することに衝撃を受けましたね。

 

再就職した 「 アラン・シャペル 」 での日々は、本当に楽しかったですね。フランス料理は物凄くおもしろかったし、未知の食材も知ることができました。毎日毎日新しいものとの出会いでしたが、そのような生活の中でふと思いました。“ このまま自分はフランス料理をやっていくべきか ” ということです。

 

広尾アクアパッツァちょうどその頃、石鍋裕さんをはじめ物凄いオーラを持った方々が、フランスから続々と帰国されていました。加えてアラン・シャペルには、ムッシュ上柿元という素晴しいシェフがいました。どう頑張っても、この人達を抜くどころか、追いつくこともできないなと思いました。自分にはイタリア料理の方が向いているのではないか、カルボナーラみたいな毎日食べても飽きないような料理がいいのではないかと思いはじめたのです。

 

そこで、ムッシュ上柿元に 「 イタリア料理の勉強をしたいので、どこかご紹介ください 」 とお願いして、当時東京・銀座に店があった 「 リストランテ ハナダ 」 へ行くことになったのです。

 

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日高良実シェフ


日高 良実

ACQUA PAZZA 」 オーナーシェフ
1957年10月 神戸市出身。
調理師学校卒業後、神戸のフレンチレストラン 「 塩屋異人館倶楽部 」 に就職。
その後、神戸ポートピアホテル 「 アラン シャぺル 」 を経て、イタリア料理への転向を決意。
東京・銀座イタリアンレストラン 「 リストランテ ハナダ 」 に転職。
1986年 本場での修業のため渡伊し、3年間イタリアで修行をおこなう。
1989年 帰国後、「 リストランテ山﨑 」 の料理長に就任。

1990年 東京・西麻布に「ACQUA PAZZA」オープン。現在は、全国12店舗のプロデュースも手がけながら、日本の食材を活かした独自のイタリアンを提案し続けている


文: 齋藤栄紀

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