HOME > 起業のすゝめ記事一覧 > 「挑戦と改革」を続けること、努力すればお客さんは応えてくれる!

 世田谷区経堂を拠点に、下北沢・吉祥寺・自由ケ丘など東京西部の繁華街で、焼肉「牛鉄」、韓国料理と和牛の店「牛鉄 鉄韓」、焼肉包菜「牛鉄 炎菜辛」、熱烈ジンギスカン食堂「牛鉄 ラム吉」など10店舗を構える山道氏。 昭和51年に「牛鉄」経堂本店をオープンして以来30年間、行列ができる焼肉屋を作り上げてきた“肉のプロフェッショナル”です。 
 味と安さと安全性の追求するために常に勉強を重ね、お客様サービスのために様々なアイデアを生みだしている山道氏から、焼肉店運営ノウハウ、顧客の心を捉える営業戦略についてお話をいただきました。 
第 4 回
BSEなど焼肉冬の時代、真面目に取り組むことが信念

 今の時代、牛鉄グループでは、安い肉とは謳っていません。 ロース・カルビを380円で出したいけど、品質を考えるとできないのです。 今は450円で、オーストラリアで一番の高品質メーカーのビーフシティという高級銘柄牛を使っています。 アメリカ産と比べると、それほどでもないですが、肉質と味はオーストラリア牛では一番です。 お客さんも旨いといいますよ。 でも原価を考えると、“儲からん商売”をやってますよ。 

真面目さが信念

 品質を考えながら、どうにかして安くしようという真面目さが信念ですね。 そうじゃなければ、今の時代に焼肉屋はできないし、これ以上の伸びはないと思う。 大量仕入れなので安く提供しているという焼肉屋があるけど、どこかにカラクリがあると思う。 いい肉は、ほんの少ししかないからね。 和牛を一頭購入していると言っている店も増えているけど、小さいお店は半頭で買っているはず。  芝浦屠場にいくと分かりますが、松阪牛は毎週火曜日か水曜日に2~3頭しか出ない。 それなのに、2~3年前は東京で松阪牛の店が溢れていた。 どこかにウソがあったんだね。 今はそんなことできない。 大変でしょうね。 

 それに、和牛ホルモンなんていう名前では売れないはずですよ。 牛をさばくときは、腹から真二つにするんですが、内臓はそのまま床に落とす。 松阪牛だからといって分けるようなことはしない。 和牛も国産牛も乳牛も一緒になっているはず。 それを買った連中が手作業で分けているだけ。 確かに含まれているかもしれないけど、それを銘柄牛のホルモンと宣伝する根性はエライよね(笑)。 

 いい肉はやわらかいという日本人の価値観もおかしい。 やわらかいということは、脂ということですからね。 肉というのは、やっぱり赤身。 噛みしめているうちに、スルメのように旨みが出てくるものです。 もともと豆腐を喰っていた民族には、固い肉は喰えないということでしょうかね。 そういう意味では、運動させずに脂肪で太らせてやわらかくしているような牛は、健康とは言えないでしょう。 そういう育ち方をして、抵抗力がない牛に病気が発生するのは、ある意味仕方がないこともかもしれませんね。 

 ただ、焼肉屋をやるからには、最高の肉を使いたい。 和牛にはA2〜A5までランクがあるが、使うからにはA5にしたい。 でも、A5が焼肉に合うかというと脂が多過ぎて合わない。 しかし、お客さんは、サシが入ったピンクの肉という見た目を求める。 じゃあ、現実的にどうしているかというと、まずA4を買わない。 A5に近い肉がある一方で、A3に近いものもあって質にムラができてしまう。 一定の高品質を保つためには、A5ならA5だけしか買っちゃいけない。 料金も含めて現実的に焼肉に合う肉を買うなら、A3がベストでしょう。 A2に近いものがあるかというと、そこには査定する側のプライドがあるのか、全然紛れてない。 でも、A4に近いものはある。 そういうテクニックが存在する。 今は何とかして、A5ランクの和牛で、一人前1000円以内で焼肉を提供することが目標だけど難しいね。 

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山道哲二
1951年生まれ。スーパーの経営を目指して新潟から群馬へ出るものの、焼肉に魅せられて方向転換。25歳の時に独立、東京・経堂で「牛鉄」をオープンする。スーパーのノウハウを活かして380円といった端数な価格設定を採り入れるなど、焼肉業界の先駆となったアイデアは多数。

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