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「 起業リファレンス 」 は、前回の十一章で完結(仮想開店)を迎えたわけですが、店舗運営はこれからが本番となります。人気店・繁盛店となるために努力や苦労を重ねていくわけですが、現在の大手外食企業も同じように創業期の試行錯誤を重ねて成長を遂げてきたのです。今回は起業リファレンス“番外編”として、外食企業の実例を数多く見てきた論説主幹・坂尻高志氏による「大手外食企業の創業風景」をお届けします。

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成功=拡大という図式はない。飲食店の成功は、苦労を重ねて自分の夢を実現させ、多くのお客様から愛される店を持つことで達成されるものだ。それが1店舗限りであっても、100店舗を越す規模に成長させても、成功の価値になんら変わりはない。影響度合いが違うというだけである。チェーン企業の先輩オーナー達は、自店の持つ価値を多くの人々に体感してもらい、そして日本の 「 食 」 文化に革命を起こしたいという 「 想い 」 があったからこそ、チェーン化に取り組み、規模の拡大を実現してきた。もちろん想い半ばで頓挫してしまった企業も多く存在する。「 夢と目標 」 があれば成功するわけではないが、「 夢と目標 」 がなければ成功しないのも事実なのである。 もし、皆さんが1号店を成功させ、さらに多店舗化を目指したいのであれば、先輩企業たちが創業期にどんな障壁にぶつかったのか、そして、いかにして乗り越えてきたのかを学んでほしい。ビッグチェーンとなったマクドナルドも、すかいらーくも、ケンタッキーフライドチキンも、吉野家も、すべては1号店から出発していることに変わりない。当然だが、その段階での成功マニュアルなんていうものは存在しない。持ち合わせていたのは、他の人たちよりほんの少し強かった 「 想い 」 と、貪欲なまでの 「 熱心さ 」 だったのだろう。
もちろんチェーン化にも法則はない。「 こうすれば成功する 」 という絶対的な法則があれば誰もが成功している。一般的にいわれる 「 チェーンストア理論 」 についても、数学や物理の定理のような絶対原則ではない。ひとつの考え方の指針のようなものである。
例えば、1号店目を 「 イタリアン 」 で成功させた人が、2号店目を 「 中華 」、3号店目で「 お洒落なカフェ 」 をやりたい、という考え方はチェーン理論的には “×”。また、1号店目は渋谷で成功したので、次は大阪、その後は福岡で店を出したいというのも “×” で、いずれも成功する確率が極めて低いだろう。このような展開の仕方をチェーン経営的展開と対比して 「 支店経営的展開 」 というが、一概に間違った理論とはいえない。理論は人の夢の実現までは影響しないのである。
チェーン経営的展開では、1号店での成功フォーマットを2号店でも踏襲し、さらに1号店の近隣で運営する。3号店、4号店も同じだ。修正したい部分があれば、どこか1店で仮説~検証を繰り返し、それをすべての店に横展開させていく。この方法によって、自社フォーマットをブラッシュアップさせていくのである。別の見方をすれば、これは 「 標準化 」 原則でもある。例外だらけの運営では判断基準がブレる。各店各様に店舗運営していては、強みが発揮できないばかりか、経営課題も見つからないのである。
また、同一商圏での展開は、「 経営効率 」 と 「 認知度 」 を比較的短期間で一挙に高めることができる。チェーン化初期の段階では、この2つは絶対に実現させなくてはならない重要課題。この様な展開方法を 「 ドミナント展開 」 といい、チェーン企業の多くが実践してきたやり方である。

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展開方法に統一感がなく、場所や業態がバラバラ |
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高コスト構造に陥り、かつQSCレベルが低下 |
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多店舗化リスクにより、数店で限界が来る |
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標準化(コンセプト、オペレーション)、判断基準(出店基準、FLコスト等)の明確化 |
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業態のブラッシュアップが実現できる |
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ドミナント展開により多店舗化 |
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もしチェーンでの展開を目指したいのであれば、これらの要素は、先人のノウハウのひとつとして認識したい。実際に大手企業の創業期はどの様なものであったか、次回で少し振り返ってみよう。
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