
―お客様対応は、いいことばかりではなく、クレームなどマイナス面もありますが、そういう場合に気をつけていることはなんですか?マニュアルなど行動指針があるのでしょうか?
【日比野氏】 火災が起きたときなどの危機管理的なアニュアルはありますが、クレーム対応のマニュアルはありません。私が気をつけていることは、当事者のスタッフを逃がさず、すぐにお客様の側へ行って、“ お客様が何に対して本当に怒っているのか ” を見極めることです。スタッフが料理をこぼしてお客様にかけてしまったことに怒っているのか、それとも、その後の対応に腹を立てているのか、謝りの言葉がないことに原因があるのか、怒りの本質が分からないとこちらが謝るポイントもずれてしまいます。何に対して、どの程度ご立腹なのか、その怒りは全部ぶつけてもらえたのかを知ることが大切だと思います。
【鈴衛氏】 料理に関するものであれば、私がお客様に頭を下げにいくこともあります。野菜に虫がついていたりすることもありますから。
【日比野氏】 一番最初にお客様対応をするのは私たちですが、キッチンの調理の問題だったのか、ホールのサービスの問題だったのかによって、謝り方も変わってきます。なぜ葉っぱに虫がついてしまったのか、キッチンから原因を教えてもらい、それをきちんとお伝えすることがお客様に納得していただく唯一の方法です。だから、チーフがいる時はチーフにすぐに伝え、直接応対してもらった方が良いと思えば、お客様のところへ行ってもらいます。
【鈴衛氏】 あまり口がうまい方ではないので、下手なことを言わないように気をつけなければいけませんが(笑)。原因をきちんとお話しして、謝るしかないですね。
【日比野氏】 ホールであれ、キッチンであれ、問題から逃げないことが一番大切な姿勢ではないでしょうか。
―お店の運営について、今後の方針やお考えをお教えください。
【日比野氏】 楽しいから働いている、居心地が良くて働いているというスタッフが多くを占めているのが現状です。一人でも多くのスタッフが、「私たちはウェイターとして、レストランを運営している」という自覚を強く持ってもらえるようにしたいです。それがサービスのクオリティの向上になると思いますので、今年1年をかけて意識変化をさせたいと思っています。
―取材の前に正体を隠して食事をさせていただいた時には、十分なサービスだと感じましたが…。
【日比野氏】 いえいえ、まだまだです。暇な時間帯だったので、いいサービスだったんだと思います。ピーク時にも、暇な時間帯と同じように、しっかりと笑顔で声を出せているか、空いたお皿をすぐに下げて、お水のおかわりを出せているかというと、グレーな部分が多いと思っていますから。
―キッチンの方針や課題をお教えください。
【鈴衛氏】 とにかく美味しいものを出せるように努力するしかありません。基本的にはお店独自のメニューを考えていいので、自分自身もスタッフも勉強して、もっと魅力的な料理を出せるようにしていきたいです。
―お忙しい中、貴重なお話をしていただきありがとうございました。
|