変貌する外食企業(1) 収益確保の体質改善にシフト
現在の外食産業界が従来と異なる点は、これまでみてきたように、外食マーケットが 8 年連続で縮小していること、消費者ニーズがますます多様化・高度化していることにあるように思われます。これにより、売上高増加対策として、積極的な出店をすることで、商圏内では店舗過剰状態が生じ、自社競合を緩和するためや多様な消費者ニーズに対応するために、多業種・多業態化を推進する動きが活発化しております。
その多業種・多業態化も新業態開発のリスクを避けるために M&A (企業の合併・買収)を実施するなど、外食産業界がここ数年、大きく変化してきています。その特徴的な傾向をみてみることにしましょう。
( 1 ) 出店政策
外食企業における効果的な売上高増加対策のひとつは、店舗を出店することですが、外食産業新聞社が調査している主な外食企業の出店状況をみると、大きく店舗を拡大している業態は喫茶店ぐらいで、他の業態では、平成 17 年で 0.5 %以下の増加率にとどまっています。
企業別にみると、若干増加している企業がある一方で、前年の店舗数を下回っている企業も見受けられます。これは、既存店の見直しを行っているからで、その見直しも従来からの店舗リニューアルやメニュー改訂のほかに、スクラップ(退店)も視野に入れたテコ入れ、損益分近点の引き下げなど店舗の存続にかかわる活性化策を実施しているのです。これらは、商圏が縮小し、商圏内での店舗間競争が激化するため、既存店のウエイトが大きい企業では、既存店売上の増減が全体の売上を大きく左右するからです。
大部分の企業では、マーケットが縮小している中での売上高の増加が容易ではないことから、収益を確保するために体質改善へシフトしており、その一環として、既存店見直しが活発化していると考えられます。
主な外食企業の店舗数の推移 
資料:外食産業新聞社「日本外食新聞」、日経MJ
注)店舗数は各年12月末の店舗数。
但し「フレンドリー」「スターバックスコーヒー」については各社期末の店舗数。
また、既存店に効果的な機能を設置することで、新規出店と同じ効果を出す試みも始められています。例えば、宅配の実施、営業時間の延長などです。これらの既存店活性化策を早く実施した企業ほど、業績が好転しているように思われ、それが企業間の格差につながっているように思われます。 以上のことから出店政策は、新規出店と合わせて既存店対策が重要になっていることがわかると思います。
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