外食産業の現在と未来の課題に向けて
外食産業は、 8 年連続の市場規模減少により商圏は縮小し、自社競合や消費者の多様なニーズに対応するため多業種・多業態化が活発化しており、新業態開発のリスク回避のため M&A も活発に行われるようになってきています。
M&A に関しては、従来から実施している歴史の浅い企業に加え、最近では、すかいらーくやロイヤルホールディングスといった老舗外食企業も参入することで、益々活発化の様相を呈しています。 M&A は、業容の拡大には有効的な手段であると思われますが、あくまでも友好的でなければなりません。労働集約的産業といわれる外食では、従業員の不安が拡大するため、優良企業であっても業績が低下する可能性があると思われるからです。
一方、国内市場の縮小を受け、売上高の拡大が期待できないと判断して、海外への進出を行っている企業も多くなってきており、特にアジア地域への進出が注目されています。
食材面では、 O157 の発生から始まった食の安全性についての消費者意識が高まっており、安全・安心のできる食材の仕入れ、メニューの提供が必要となってきており、さらには情報公開も求められるようになってきています。
中食産業は、外食が減少を続けるなか、前年実績を上回って推移しており、外食産業のみならず、小売業や食品メーカーなどからも注目を集めています。消費者の動向をみても、簡便志向、単身者(高齢者も含む)の増加、女性の社会進出、食品メーカー等の技術革新などもあり、中食を支持していることが伺えます。ただ、外食企業の中食進出が思ったほど多くないことを考えると、中食産業は、「有望なマーケットではあるが、難しいビジネス」であるように思われます。
数々の課題を抱える外食産業ですが、これからは、少子高齢化への対応が問題になってくるのではないでしょうか。外食産業は、アルバイト・パートの労働力依存度が高く、現在でも人材確保が難しくなっていますが、今後は、若年層の人口が減少するために労働力をどのように確保するのかが企業の浮沈、ひいては業界の発展を左右することになると予想されます。そして、高齢化社会へどのように対応していくのかも、外食企業と外食産業に与えられた使命になると考えられます。
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