HOME > 特集記事一覧 > 緊急企画:晴れのち薄曇り?~外食産業市場規模を考察する~外食総研 堀田宗徳氏 独占インタビュー

外食総研 堀田宗徳氏 独占インタビュー/外食ドットビズ

今年も4月27日に≪外食産業総合調査研究センター(外食総研)≫が平成18年度の外食産業市場規模推計値(外食市場規模)を公表した。当サイトでも5月1日に掲載した通り、9年連続前年実績を下回り外食市場規模は24兆3,592億円となった。このまま外食産業は縮小の一途をたどるのか?それとも今後V字回復が期待できるのか?
今回外食ドットビズでは、緊急企画として外食総研の堀田宗徳主任研究員に、外食市場規模のトレンドから見える現状と将来について独占インタビューを行った。

≪ 前編 ≫ 市場規模の算出は、こんがらがった糸を手繰るような作業なのです

外食市場規模の推計の方法についてお教え下さい

外食総研では、昭和50年(1975年)より30年以上に渡り、外食産業の市場規模の推計値を公表しています。ここに1冊の本がありますが、これは外食市場規模を推計するに当たって、昭和58年度に作成された本です。中身は詳しくは申し上げる訳にはいかないのですが、「この様な統計を利用して、この様に推計していきますと」言うガイドラインと言うか、いわゆるマニュアルですね。

ここに記載されている通り、主として30種以上の統計資料と、参考として10数種の統計資料を利用して推計値を算出する事になっています。まずこの30種以上の資料を基に一旦数値を出します。それから参考資料と付け合せて、整合性を見るのです。ここで極端に数値が違っている場合には、再度見直しを行います。基本的に統計資料は、国が公表する統計資料を利用し、民間の統計資料はほとんど利用しません。

平成18年(2006年)外食産業市場規模推計値外食産業市場規模は、「営業主体部門」と「飲料主体部門」の合計値と定義しています。詳細は右図を参照していただければよろしいのですが、それぞれが何かをお話します。

『営業主体部門』は「営業給食」と「集団給食」で構成され、「営業給食」はレストランやそば・うどん店等と言った飲食店や国内線機内食・宿泊施設が対象で、「集団給食」は、学校・病院・保育所や、社員食堂等の事業所給食から成り立っています。『営業主体部門』は外食全体の8割近くを占めています。

『飲料主体部門』は喫茶店・居酒屋等と、料亭・バー等で構成されています。こちらは全体の2割強となっています。この合計が、24兆3,592億円(平成18年)なのです。

この他『料理品小売業』の市場規模も公表していますが、皆さんがなかなかご覧になっていただけない(笑)。注意書きに記載している通り、「売上高の内、テイクアウト比率が50%を超える店」はこちらに格付けされており、また商業分類の関係から、「スーパー・百貨店の売上高の内テナントとして入店している場合」にはこちらに含まれますが、「スーパー・百貨店が直接販売している」売上高は含まれておりません。この『料理品小売業』の市場規模を含めますと、29兆9,638億円(平成18年)となり、いわゆる広義の外食産業市場規模となります。

 

下図のように毎年過去3ヵ年の数値が載っていますが、
その理由をお教え下さい

外食産業市場規模(平成16年~平成18年)推計に利用している統計資料のほとんどが、3月までに前年分が出揃うのですが、「法人交際費」等は毎年12月に前年分の確定値が公表され、「病院給食」は厚生労働省の管轄なのですが、前々年の確定値が公表されています。

この表でご説明しますと、平成16年は市場規模の確定値となりますが、平成17年は「病院給食」以外は確定値、平成18年は、特に「飲料主体部門」が関わるのですが、法人交際費が確定していないので、あくまでも推計値となるのです。

この件に関しては、例年マスコミの皆さんからのご質問が多いですね。プレスリリース資料にはちゃんと注意書きを入れているにもかかわらずですよ(笑)。

例えば「今年は前年比プラスのはずだが、何故マイナスになっているんだ・・・」と、昨年の同時期に公表した平成 17年の市場規模24兆2,781億円なのですが、今回は24兆3,849億円になっています。確かに昨年公表の数値ですと、平成18年は若干ですがプラスになりますが・・・。

 

市場規模の推計に当たってご苦労されている点は?

まず、利用する統計資料が 30種以上に渡ると言う事が挙げられますね。主たる資料が5つくらいであれば、スパッと推計できるのですが、この数になると本当に糸を手繰るような作業になるのです。

それから、30年以上推計しているので、無くなった統計資料もいくつかあります。例えば、商業統計の「一般飲食店」が平成4年に終わっていたりするのですが、これも代替資料を探してきたり、どう使うか考えていく事が難しいですね。場合によってはその部分だけ変える必要があったりするのですが、過去との整合性と連続性は絶対に必要ですので、この考えを死守する事は並大抵な事ではないですね。

市場規模の推計に当たってご苦労されている点は?あとは、新年度になると皆さんから、「今年の市場規模はまだでないの?」とせかされるのです。経営戦略に関わる数値という事で、その重要性は充分認識していますが、元データが出揃うのが3月なのです。それから糸を手繰るような作業が始まりますので、やはり1ヶ月ほどはかかってしまうのです。これでもPCが発達してきましたので楽にはなったのですが。信じられないと思いますが、平成元年頃までは手計算で行っていましたから(笑)。

市場規模作成で重要な事は連続性だと考えています。当センターでは、昭和50年から今に至るまで同じ考え方、同じ手法で推計しています。確かに国から公表されなくなった統計資料もありますが、無いものは無いなりに同じ考えのもと推計していると言う事をあらためて言わせていただきます。


 

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堀田 宗徳


堀田 宗徳

1957年生まれ。1989年に農林水産省の外郭団体である≪財団法人外食産業総合調査研究センター(外食総研)≫に研究員として入社、99年に主任研究員となる。05年からは、関東学院大学人間環境学部および尚絅学院大学総合人間科学部で非常勤講師(フードサービス論)も務める。専門領域は、個別外食企業の経営戦略の分析、個別外食企業の財務分析、外食産業のセミマクロ的動向分析、外食産業市場規模の推計、外食産業に関する統計整備。フードシステム全集第7巻の「外食産業の担い手育成に対する制度・施策」(共著、日本フードシステム学会刊)、「外食産業の動向」「外食企業の経営指標」(いずれも外食総研刊「季刊 外食産業研究」掲載)など著作も多数あり。

徹底分析・外食産業の現状と未来への展望

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