HOME > 特集記事一覧 > IT活用を通じて外食産業の活性化を目指す、「OFSC研究会」緊急座談会!~研究会の目的と外食産業システムの理想を語る~

研究会の目標と外食産業システムの理想を語る
2005年2月に発足したOFSC(オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム)研究会は、
(1)「外食産業を支えるインフラとしてのITシステムの将来像」を創る
(2)外食産業が直面する「日々の課題」に対しての解決策を検討・実現する
という目標を掲げて活動している団体です。
飲食企業、情報システムベンダーおよび関連企業が協働して、すべての飲食企業にとって高品質で導入効果の高い情報システムとは何かを全世界に発信しようと努力を続けています。
今回は、組織の立ち上げに尽力した設立メンバー並びに、各作業部会の第一線で活躍する4人にOFSCの実態と外食における情報システムの意義を語っていただきます。
第 4 回
IT化に適した店か適さない店かを見極めること
同じシステムでも店舗ごとの多様性があるはず

酒美  外食産業における最近のサービスにセルフオーダーがありますが、まだまだ溶け込んでいるとはいえない状況ですか?

湯澤  結構、溶け込んでいるかもしれないです。セルフオーダーの店に何度か行くと、従業員が注文を取りに来る店がイヤになることがありますよ。

牧山  私も溶け込みつつあると思いますが、お客様の立場になって、ちょっと驚いたことがありました。オーダーしてパッと持ってきてくれるのはいいんだけど、会話が全くなかったんです。やはり、オーダーの時の楽しみっていうのもありますよね。「おすすめは何ですか?」みたいな。そういう会話を少しは楽しみたいという場面もありますね。

pict永田  僕は、人のサービスにストレスを感じる方ですね。手を上げて呼んでも来ないとか、オレは忙しいんだからと客席を無視するように移動していく従業員なんて、ストレス以外の何ものでもないです。勝手に注文して、ポンポン持ってきてくれる方がよっぽどいいサービスだと感じることもあります。

湯澤  もともとウェイターだったからかもしれないですが、お客様の立場になっても、「アイツら走り回って大変だなあ〜」と思って、呼び止めるのに気が引けてしまいますね。そういうシャイな現代人は多いと思いますよ。食事をする横で、誰かがすごく苦労していると思ったら楽しくないんですよね。従業員の汗なんて見たくないですよ。

牧山  セクシーな衣装のウェイトレスで流行しているアメリカのフーターズは、家族でも行けるような雰囲気になっていて、非常にいい演出をしていると思います。外食も人と機械の二極化に進むのではないでしょうか。自動販売機のようなガラガラポンでもいい店は、ボタンを押すと自動的にテーブルに料理や飲物が出てくる。そうじゃないところは、あらゆる場面で人が介して料理を提供する。店によって、そういう多様性が出てくるはずです。

湯澤  そうですねぇ、完全セルフオーダーで注文を取るのだけど、料理だけは踊りながら持ってきてくれるなんていうバランスも面白いと思いますよ(笑)。

牧山 回転寿司は自動販売機に限りなく近いですよね。これが欲しいって注文すると、自分の席まで人の手を介さずにレーンに乗ってやってくる。

永田  日常食の代替として行く回転寿司で、店員が注文を取りに来なくてイライラしたり、従業員がアクセクしているなかで食事をしたくないというのは、確かにありますね。

酒美  そういうタイプの店では、 IT の活躍が期待できそうですが、他にはどういった業態が IT 化に向いているのでしょう?

永田  弊社のような業態であれば、 180 円のコーヒーを飲むために、レジに行列ができている店には行かないですよね。それだけでよその店を選ぶはずです。ドトールコーヒーがモットーとしているのは、 15 秒で精算から提供までを終らせる 15 秒ルールです。それをひとつの KPI ( Key Performance Indicator /重要業績評価指標)としています。そういう意味では、お客様も“ 180 円だから”という割り切りがあるはずで、自動化・省力化も許される可能性が高い。お客様の利用動機がどこにあるのかという見極めが一番大切ではないでしょうか。

pict湯澤  サービスというのは、お客様が何を求めているのか? そしてそれにいかに完璧に応えるか?ですからね。さっさと食べたい、飲みたいと思っているお客様に、「いらっしゃいませ、ご注文は何になさいますか、本日のオススメは〜」なんて延々と説明したら、「そんなこといいから、早くビール持ってこい!」と怒鳴られることもありますから。とても難しいところですが、自分の店がどのような位置付けで、そのお客様が何を求めているかを知っておかなければいけないですね。

牧山 ベンダーの立場からいわせていただくと、逆に、それを全員がきちんと把握しておくことが、飲食店の基本中の基本だと思えます。自分の店の業態やコンセプトを中途半端にしていると、お客様の誤解を招いてしまう。すごく和風の凝った店で雰囲気を出しているのに、誰もが無表情だったらおかしいですし、セルフオーダーなんて最もそぐわないでしょう。オーダーエントリーも一般的に使われていますが、便利だからと安易にシステムを導入するのではなく、店の運用形態によって内容を変えていくべきだろうと思います。

酒美  そうですね、システムひとつをとっても、もっと多様性が出てこないといけないように思います。かなり自動化された中に、ふと人の手が介しているといいサービスに思えたりしますからね。私がドトールさんを好きなのは、お釣りを渡すときに必ず手を添えてくれるからなんです。その時に、ちょっと手が触れたり…という、たったそれだけのことで何だか嬉しくなってしまうんです(笑)。

湯澤  ドトールさんが電子マネーになったら、お釣りが出なくなって酒美さんが行かなくなっちゃいますね。カードをかざすときに手を添えてくれるならいいですか?(笑)。

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座談会参加者 OFSC研究会 http://www.ofsc.jp
  ● 酒美 保夫(写真左)
株式会社フォアサイト
代表取締役
http://www.4sight.jp/
  ● 牧山 卓司(写真中央左)
東芝テック株式会社
流通情報システムカンパニー
商品開発センター   システム商品部
飲食店システム担当   専門主幹
http://www.tec.jp/
       
  ● 湯澤 一比古(写真中央右)
株式会社ニュートーキョー
財務部 情報システム室 室長
http://www.newtokyo.co.jp/
  ● 永田 憲司(写真右)
株式会社ドトールコーヒー
情報システム部 部長
http://www.doutor.co.jp

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