OFSCが考えるこれからの外食経営
牧山 最近は、外食でも成果主義と呼ばれる給与体系も少しずつ増えてきています。ノウハウを身に付けて、他の店にスカウトされたり、独立したりという人も多いので、そういう意味では活性化された業界だと思う。ですから、もっと IT 機器でもいろいろな発想が出てきてもいいでしょうね。今は、いろいろな発想、コスト的な問題が前面に出てしまっていますが。
湯澤 いろいろな機械がつながるようになったら、我々も少しずつ買い足せて、コストの問題が解決できるんですよね。 OFSC の接続標準には、期待するところが大きいでしょう。
永田 1 店舗だけでちょっと使ってみようとか、導入テストができるようになるのも魅力ですよね。
牧山 ぜひ、ユースケースを作って実際につなげてみたいですね。どこかで自由に試せるようにして、本当に役に立つとわかれば普及も早いでしょう。アメリカでは、厨房機器とシステムの連携も進んでいますよね?
酒美 アメリカはちょっと環境が違います。どんどん新しい労働力が入ってくるので、日本のように切実な人手不足問題はありません。むしろ、彼らが考えている厨房との連携というのは、冷蔵庫の温度監視など流通業との取り組みが多い。自動化・省力化については、必要性がある日本がリードするチャンスです。
牧山 ということは、我々が新しい提案をすると世界初になるチャンスがあるということ?
酒美 そうですね。日本流の OES は向こうにないので、 POS と OES を連携する部分などは、日本が作ればイコール世界標準になります。
牧山 世界初というのはうれしいですよね。記者会見をやって、バババと嵐のようなフラッシュがあって、マイクも 10 本くらい束ねられている。そこで「すいません、またトラブルを起こしてしまいました」と頭を下げるんじゃないですよ(笑)。

≪OFSCが作成する『接続標準規格』≫
酒美 人手不足という観点から、システム上でどういうノウハウが考えられますか?
牧山 すべてをいかに効率的に使うかしかないですよね。自動化といっても0人という店はいまのところありえないわけですから。外食の給料の話もありましたが、これだけ景気が戻ってくると、才能がある人が集まってこない環境になる可能性があるし、日本の社会保険制度が変わって、コストアップの要因は差し迫っている。そうすると、やはり外国の人を使わざるを得ない状況も起きてくると思う。そういう意味で、バックオフィスの管理の仕方だとか、データをきちんと取ってコンマ1%ずつ縮めていくしかないような状況が当たり前になるような気がします。
永田 確かに切り詰めないとどうしようもない。人件費もパート・アルバイト時給 1500 円時代といわれているので、今の収益構造で本当に利益が出るのか計算してみればいいです。そうすると、人がいるべきところと機械がやるべきところをもうひと絞りする、それこそ渇いた雑巾をもう一度搾る位のことをしないといけない。そうなると、末端のデータや概況の情報も含めて、総合的な経営のナビゲーションになるようなものがないと、これからの外食経営は本当にきつくなる。
酒美 そういうノウハウを持つ外食企業が売っていくのは難しいでしょうか?
湯澤 ドトールさんみたいに規模が大きいと難しいかもしれないですよね。売ってしまったら巨大な競争相手ができてしまいますからね。
牧山 OES の使い方はベンダーのサービスマンがユーザーの店に行って説明するわけです。それで費用をもらっている。でも、サービスマンは機械については知っているけど、ユーザーの厨房でどういう問題が起きているかを把握していないので、表面的なことしか教えられない。でも、例えば、 OES にすごく詳しい人が、他のユーザーのところでも教育していただければ、我々としては、ある意味でコストダウンになるし、ノウハウの伝授もスムーズになります。どんな OES でも対応できるサービスマンがいれば、今度はこう変わるんですよと簡単に説明できる。 OFSC 主導でもいいですが、機器の指導をするビジネスがあってもいいのではないかと思います。ただ競争するのではなく、一緒にできるところは協力しようということです。機械の標準化というのもあるが、サポートや教育体制の標準化もあっていいですよね。
永田 機械の教え方という点から、さらに踏み込んで、店舗の労働力供給を専業とする派遣会社を組織して、教育も人材もすべてカバーしてくれるとなれば心強いですよね。 |