中国・韓国・台湾に学ぶ、日本外食企業のこれから
齋藤●日本の外食企業は、サービス業といわれながら、ただ低料金化に進んでいるような印象を持つことがありますが、それぞれの国では、どのようなことに力を入れているように思いましたか?
坂尻●韓国は、新しい業態開発に力を入れていて、語弊があるかもしれないですが、 20 年程前の日本に似ているかもしれない。珍しいものに対して積極的になっている。
齋藤●外食の非日常性を追い求めている?
坂尻●そうですね。もちろん昔ながらの地場料理・家庭料理の延長といった店も流行っているのですが、若者たちが集まるようなところは新しい日常空間を求めている。
齋藤●日本の外食もそこから始まっていると思うが、それが忘れられてしまっているのでしょうか?
坂尻●今でもそれを求めているのですが、日常のレベルがとても高くなってきているから、非日常空間であるはずの外食店が相対的に感動につながらないのでしょう。わざわざ行く必要もないとなって日本の外食が弱まっている。
齋藤●低価格に走っているというわけではないんですね。
坂尻●それはないでしょうね。
福本●台湾は、中国人観光客がとても増えているらしく、その人たちに向けた店舗開発が進んでいます。富裕層が流れてきているわけですから、それに対応した高価格帯の店舗が増えているようです。
酒美●中国はもともと外食する習慣があるので、日常食の店はすでに数多くあるんだと思います。これから事業化しようとすれば、新しく生まれている富裕層に向けたマーケットへの訴求が一番近道なのでしょう。だから、台湾を含めて高い店ができるという構造があると思います。
齋藤●今の日本には、外食習慣ができあがっている。いままでの東アジア各国と同じ条件になったと考えてもいいのではないでしょうか?
坂尻●料理の中身が問題になってくるでしょうね。台湾が顕著ですが、家庭料理と同じようなものが安く食べられて、なおかつ面倒な家事もないから外食に流れたという背景があります。これに対して日本は、昔からナポリタンやコロッケがあるように、すでにいろいろな食が混在していた。ファストフードやファミレスが出てきたときに、ある種の驚きはあったが、食文化という視点ではすんなりと受け入れられた。ですから、少し背景が違うかもしれないですね。
齋藤●外食のマーケットからすると、日本の外食比率は高そうに見えて低いが、これからチャンスがある。今の段階では、外食企業は何とか耐えろということですか?
坂尻●うーん、ダメなところには早々に退場してもらった方がいいかも(笑)。
齋藤●では、高い店も安い店もあって選択肢が広い中国・韓国・台湾を参考にして、今すぐに行動を開始しようということですね。
坂尻●日本が失いかけている“外食の楽しみ”みたいなものが、3つの国には明確にありますから、そこをもう一度見直す必要はあるのではないでしょうか。
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