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外食産業で本格普及期を迎えた電子マネーの課題と展望
飲食企業・情報システムベンダーおよび関連企業が協働し、飲食企業にとって導入効果の高いシステムの構築を目指すOFSC(オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム)研究会で実施された特別講演の模様をお送りします。  外食産業の特性に則して電子マネーの現状や見通しに振れるなど、導入に際しての参考となる講演でしたので、OFSC研究会様、ソニー株式会社様のご協力により、当サイトにて特別に公開させていただきます。※本文中、敬称略とさせて頂きました。
第 2 回
FeliCaを使った決済サービスの動向

【電子マネーサービス導入経緯】

 この図は、広い意味での電子マネー・決済サービスの導入の経緯を時系列に表したものです。前回述べましたように、 2003 年頃までは Edy あるいは Suica が代表格であり、大きく分けますと、事前にチャージをしておくプリペイド型サービスが先行して始まり、ポストペイ型、後払い方式のサービスが続く形になっております。ポストペイの例としては、阪神・阪急・大阪市交通局などの「スルッとKANSAI」で、一部の鉄道事業者が始めた“ PiTaPa ”というサービスがあります。これは、交通乗車券として使われると同時に、比較的早くから飲食店・自動販売機、コンビニエンスストアといった物販で使われています。その後、 2004 年になって、「おサイフケータイ」が始まり、「 SmartPlus 」「 QUICPay 」「 iD 」など非接触のクレジットサービスの導入が相次いで始まったという経緯になります。また、 2007 年3月には、アイワイグループが「 nanaco 」と呼ばれるプリペイド型の電子マネーサービスを始める予定です。

 プリペイド型・ポストペイ型、それぞれ使っている技術は同じですが、サービスとしては独立した形で多くの決済サービスが普及してきた状況にあります。前回触れた香港の場合には、「オクトパス」というバリューが一種類しかなく、それが広く使われている状況ですが、日本の場合は、数種類のしかも非常に大きな影響力を持った事業者が提供する決済サービスが始まっており、世界でも類を見ない状況となりつつあります。

 

【従来のクレジットとの違い】

 プリペイド型・ポストペイ型の比較をしてみます。大きな特徴は、 1 回の買い物で購入できる上限額がサービスによって異なっているということです。これは、お店でのオペレーションに影響が出ると思いますので、後ほど詳しく触れますが、ここに挙げましたように、 Edy ・ Suica は、そもそも事前にチャージできる額に 5 万円・ 2 万円という上限があります。ポストペイ型の場合も、 SmartPlus は 3 万円、 QUICPay2 万円と上限があります。「 VISA Touch 」というのは、 SmartPlus から発展したものですが、こちらも 1 万円です。 NTT ドコモの「 DCMX mini 」は、 12 才以上であれば学生でも使えるクレジットですが、月総額 1 万円の限度があります。

 また、プリペイド型・ポストペイ型で大きく違うのは、プリペイド型は基本的に現金からのチャージですので、誰でも購入可能であり、必ずしも個人情報とは結びつかないという特徴があります。

 それでは、電子マネーは、一体どれくらい使われているのでしょうか。まず、 Edy は、すでに 2000 万枚を越すカードが使われ、加盟店数も 4 万店に迫る勢いで増えています。そして、月間利用件数は 1400 万件となっており、いずれの数字も右肩上がりで増えている状況にあります。

Suica で特徴的なのは、「 JAL カード Suica 」や「ビックカメラ Suica カード」など一体型カードが起爆剤になって、利用率を上げています。 JR 東日本では、最近“エキナカ”という言葉がマスコミに取り上げられているように、お店を直営したり、駅構内にテナント出店してもらい、そこで Suica を利用していただくという形で、使える場を自ら提供していることが大きな強みになっています。駅構内ですから、もともと改札機や券売機までネットワークが来ていますので、それに決済の仕組みを上乗せする形です。一からインフラを構築せず、追加投資で物販の場を広げるというのが Suica 普及の特徴となっております。

 その他、 NTT ドコモの iD 、 JCB の QUICPay 、 UFJ ニコスの SmartPlus といった各決済サービスに関しては、事業主体や方式、会員数を挙げさせていただきました。補足しますと、 UFJ ニコスの SmartPlus は、 VISA の VISA Touch というサービスに発展的統合する形に移行していきます。

 2007 年 3 月にドコモの iD が端末数を 15 万台に持っていく構想を持っていたり、アイワイグループが nanaco サービスを開始したり、パスネットから PASMO へ移行するなど、来春は、電子マネーのさらなる普及が進むエポック的な時期になると考えられています。

【各事業者の動向】

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渡辺 圭一
http://www.sony.co.jp/Products/felica/
ソニー株式会社 FeliCa 事業部門 営業部 統括部長
1981
株式会社第二精工舎(現セイコーインスツル(株))入社
研究開発部、時計設計部を経て外食産業向けオーダーエントリーシステムのSE業務等を担当。
1991
ソニー株式会社 入社
自社製業務用機器(コンピュータおよびAV機器)の法人向けシステム・セールス、営業推進を担当。
1997 非接触ICカード技術 FeliCa関連製品のセールスに携わり、現在に至る。

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