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外食産業で本格普及期を迎えた電子マネーの課題と展望
飲食企業・情報システムベンダーおよび関連企業が協働し、飲食企業にとって導入効果の高いシステムの構築を目指すOFSC(オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム)研究会で実施された特別講演の模様をお送りします。  外食産業の特性に則して電子マネーの現状や見通しに振れるなど、導入に際しての参考となる講演でしたので、OFSC研究会様、ソニー株式会社様のご協力により、当サイトにて特別に公開させていただきます。※本文中、敬称略とさせて頂きました。
第 4 回
外食産業における電子マネー導入にあたっての課題と検討(1)

電子マネー導入の課題とステップ

電子マネー導入にあたっての課題および手順を項目別に抜き出してみますと、次の 9 ステップにまとめられるのではないかと思います。重要な項目について解説を加えていきます。

 1. 電子マネー導入の戦略と目的の明確化

 2. 採用する電子マネーの選択

 3. カード発行の検討

 4. 決済端末の導入( POS との連携)

 5. システム構築

 6. アプリケーション開発

 7. オペレーションの統一

 8. 運用手順作成

 9. 店舗への導入

【 1. 電子マネー導入の戦略と目的の明確化】

 電子マネーの導入によって期待される効果は、一般的にいわれている点やサービス事業者がアピールしている点を集約すると、図にある7点にまとめられると思います。

「 1. レジの効率化」「 2, 決済のスピードアップ」は、外食産業に限らず、基本的かつ大きなメリットになると思います。「 3. 現金ハンドリングのコストとリスク低減」は、小銭・紙幣を扱う際に、従業員の不正や計算が合わないといったリスクを大幅に減らすことができるという意味です。

 「 4. 来店客アップ」「 5, 現金以外の顧客を逃さない」は、現金の手持ちが少なくてもカードやおサイフケータイを持っているので、外食してみようというお客さまを獲得して、来店者数アップが見込める効果です。「 6. 客単価のアップ」も同じような意味で、現金だと手持ちが少ないけれど、電子マネーが使えるなら食事もしていこうかなと誘引する効果がありますので、客単価アップにつながると思われます。外食企業ではないですが、具体事例も数多く見受けられています。

 「 7. 顧客サービスの向上( CRM ※の実現)は、外食産業にとって大きなメリットになるのではないかと思います。運営次第で、お客さまの属性や個人情報と結びつけることができますので、 CRM 実現のツールとして電子マネーというサービスが利用できるのではないかと思います。

※ CRM ( Customer Relationship Management )
企業が顧客との長期的な関係を築く手法のこと。顧客データをもとに、サービスの強化、問い合わせやクレーム対応など、個々の顧客とのやり取りを一括管理することで実現する。顧客ニーズに細かく対応することで、利便性と満足度を高め、顧客を囲い込み収益の増大につなげることを目的としている。

 各企業によって、電子マネー導入により達成したい目的や目標は異なると思います。それぞれの事業戦略に基づいて、目的・目標を明確化されることが導入検討において、一番大切なことになると思います。

 

【 2. 採用する電子マネーの選択】

 クレジットを含め、電子マネー採用にあたってのポイントを6点挙げてみました。

「 1. 普及状況と将来性」は、普及の地域性も関係してきます。私どもは東京在住ですので、 Suica になじみがありますが、大阪や九州での知名度は高くありませんし、カードを持っている方も少ないというのが現実です。ですから、外食産業で利用になるときは、この問題が付いて回ると思います。

「 2. 手数料率」 いずれのサービスも手数料が掛かりますが、その手数料率がサービス事業者や決済サービスによって異なるのは致し方ないことになります。もちろん、交渉次第になると思いますが、この比較検討も大切な手順になります。

「 3. 導入コスト(機器費用、システム開発費など)」 特に、 POS と連動する場合の POS 版ソフトの開発といったシステム開発費も、サービスごとにまちまちだと思いますので、こちらの検討も必要になってきます。

「 4. 導入支援策の有無」 抽象的ないい方をしていますが、私どもが聞いている範囲では、このサービスを導入すれば、カード発行費を少し負担するとか、何らかの費用を負担するという支援策があるようです。財政面といったらいい過ぎかもしれませんが、ファイナンシャルな意味での導入支援策の有無も事業者によって差があるように思われます。

「 5. マネー自体のサービス内容(ポイントなど)」 そのサービスが決済だけに特化しているものか、あるいは、共通ポイントカードのような仕組みも提供されているのか、そういったことも吟味する必要があると思います。

「 6. 現金化までのタイムスパン」 決済された結果、実際に現金化されてくるまでの期間についても、自社のシステムやサイクルに沿って検討される必要があると思います。
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渡辺 圭一
http://www.sony.co.jp/Products/felica/
ソニー株式会社 FeliCa 事業部門 営業部 統括部長
1981
株式会社第二精工舎(現セイコーインスツル(株))入社
研究開発部、時計設計部を経て外食産業向けオーダーエントリーシステムのSE業務等を担当。
1991
ソニー株式会社 入社
自社製業務用機器(コンピュータおよびAV機器)の法人向けシステム・セールス、営業推進を担当。
1997 非接触ICカード技術 FeliCa関連製品のセールスに携わり、現在に至る。

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