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できの良い生徒 :
坂尻高志 |
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講師 :
黒部善得社長 |

できの悪い生徒 :
前城幸代 |
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【黒部社長】 さて、社会保険には、旧厚生省が管轄していた健康保険、国民・厚生年金と旧労働省が管轄していた雇用保険、労災保険(以下、労災)のいわゆる労働保険があります。近年では介護保険も併せて社会保険と言っています。
全て重要なものなのですが、まず労働保険の知識を身に付けてから健康保険や年金を知る方が良いと思います。まずは、皆様の日々の業務に密接に関係する労災について進めていきます。
前城さんは、飲食企業に勤められたことがありますよね。仕事中に怪我をして病院に行ったことはありますか?
【前城】 はい。銀座のパブレストランに7年間勤めていました。もちろん、健康保険に入っていましたので、それを使って、割れたお皿や包丁で深く指を切ったりした時に治療のために行ったことはあります。
【坂尻】 それは、まずいんじゃないの?違法だよ、違法。
【前城】 えっ(驚)
【黒部社長】 そうなんです。厳密に言うと、それは違法行為になってしまうのです。健康保険は、仕事を通じて怪我をしたものについては適用できないのです。業務上の傷病には、健康保険を使うことができないのです。あくまでも業務上の傷病に関しては労災を使うのです。ちなみに労災の正式名称は、「 労働者災害補償保険 」 と言います。
【坂尻】 通勤の途中で、駅の階段から落ちて足の骨を折ってしまった時も労災になるんですよね?
【黒部社長】 通勤も業務中とみなされますから労災の対象となります。労働者災害補償保険法の第一条にも、「 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。 」 と書かれています。
【前城】 そうなんですかっ!?私は、労災っててっきり過労死のためにあるものだと思っていました!
【坂尻】 そうなんだよね。そう思っている人って結構いるんだよね。
【黒部社長】 では、アルバイトの子が、料理を運んでいる時に足を滑らせ、頭を打って病院に運ばれてしまいました。この場合は、労災でしょうか?健康保険でしょうか?
【前城】 正社員ではなく、アルバイトの方ですよね。それならば健康保険だと思います!
【坂尻】 労災は、正社員もアルバイトも関係ないはずだよ。
【黒部社長】 そうなんです。先ほど、「 業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病・・・ 」 と言いましたが、労災の対象はあくまでも “ 労働者 ” なんですね。正社員だろうが、アルバイトだろうが雇用契約を締結していれば労働者になるわけです。契約書が無くても、使用者に使用されて労働し、その対価として賃金を受取っている事実があれば労働者とみなされます。だからアルバイトが業務中に怪我をした場合も労災の対象になるわけです。
【坂尻】 話がそれるけど、外食業界の人間は、正社員とアルバイトと明確に分けようという考え方を持ちすぎているんだよね。正社員にはレジ締めをやらせるけれど、アルバイトにはそういう責任のある仕事をさせないとかね。
【黒部社長】 正社員の方が身元保証の情報が多いからという理由だけからのような気がしますね。アルバイトやパートからは身元保証の情報をあまり取りませんから、正社員の方が信用できると言う考えになってしまっていると思います。これは、全ての業界にいえると思いますよ。ただ、飲食業の場合、少数の社員に非常に多数の期間雇用と言われているアルバイトやパートが同じ職場で働いているので目立つだけだと思います。
【坂尻】 でも、労災には、正社員とパート、アルバイトというわけ方はありえないと言うことですね。
【黒部社長】 それが重要なポイントです。業務中や通勤途中の傷病に関しては、正社員もパート、アルバイトも労災の対象になると言うことです。このことは、職場の長である店長が必ず知っていないといけないことなのです。 一般的に労務の管理監督者は人事部と思われていると思いますが、このことから飲食業や流通業の場合、労務の管理監督者は店長であると言えますね。わかりますか、元マネージャーの前城さん?
【前城】 よくわかりましたー。
【坂尻】 今わかっても遅いんじゃないの?
【前城】 ・・・・・・。
-本日の講義のポイント- |
■ 業務上の事由又は通勤上の傷病には、労災保険が適用される。
■ 健康保険が適用できるのは、業務外の事由による傷病である。
■ パート、アルバイトにも労災保険は適用される。
◎ 飲食業の労務管理監督者は店長と心得るべし!
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