
― 社長に就任されてからは、どのような政策を行われたのですか?
【 山崎氏 】 従業員が店舗で感動した事例を共有する 「 感動情報共有センター 」 や、若手社員と泊まりがけで行う 「 社長座談会 」 などを設置しました。それから、全社員を対象に 「 業態開発グランプリ 」 も行っています。
― 最近では、優良外食産業表彰式で、農林水産大臣賞・環境配慮部門を受賞されたことも話題になりました(平成21年4月)。
【 山崎氏 】 店舗の照明にLEDを使ったり、太陽光発電に取り組んだりといった設備面から、食料の廃棄を少なくする運動や店舗前の通りの清掃といった従業員の活動も含めて、環境配慮に取り組んで来たことが評価されました。
コストも手間もかかりますが、サッポロライオンを 「 いい会社 」 にするために環境面に取り組みました。これからの会社は、儲かるだけではいけません。規模を拡大するだけではなく、信頼も大きくできる会社になることが大切です。環境問題は社会からの要請で、飲食業は、廃棄物の問題など注意すべき点もいろいろとあるのです。その中から、少しずつではありますが取り組みはじめたというのが現状です。農水省から表彰をいただきましたが、まだ十分ではありません。
― 「 いい会社 」 という考え方について、もう少し説明をしていただけますか?
【 山崎氏 】 「 いい会社 」 というのは、私どものお客さまだけではなく、地球にいるすべての人々に良くなければいけません。そのためにはどうすればいいか、自分達でできることを実践するという意識が大切です。農水省から表彰されたときに、「 何が評価されたの? 」 と疑問に思った社員がたくさんいたことも事実です。しかし、それをきっかけにして、何がエコになるのかを改めて知り、自ら考えることができるようになったのです。店で働いていると、何がどのようにリサイクルされているのかは分からないものです。それを学ぶきっかけをもつことが、「 いい会社 」 へのはじめの一歩になると思います。
料理ひとつにしても、最大のエコは残飯を出さないことです。そのためにはどうすればいいかというと、適正な量を出したうえに美味しくつくる必要があります。適正で、安全・安心で、健康で、美味しい料理をつくろうという意識が、最大のエコになると知っていくことが大切なのです。広く長い目で見れば、これも環境につながるはずです。肩肘を張って環境問題に取り組むのではなく、自分たちにできることを絞ってやっていきたいと思います。まずは、社員全員に気づいてもらって、環境問題に対する新しいアイデアが出てくることに期待したいと思います。
― 外食企業を経営するうえで、一番重要なことは何だとお考えですか?
【 山崎氏 】 お客様を大切にすることが基本だと思います。安全・安心で、健康的な本物志向の料理を美味しく提供しつづけること。そして、従業員を大切にすることです。CSとESをきちんとやった上で、適正な利益を生み出していくのです。店舗数何百店、売上何百億円という目標は、重視されない時代になっています。それよりも、皆から尊敬される飲食店を目指す考え方が重要ですね。
― 食の安全・安心に関しては、どのような取り組みを行っているのですか?
【 山崎氏 】 「生産者との信頼関係」というのをひとつの指針に考えています。安全・安心は、やはり目が届くことが基本になりますから。産地に赴いて自分の目で見て、納得できるものをお客さまに出すという意識を徹底したい。逆に、産地の方には私どもの店舗に来ていただいて、「 皆さんがつくったものは、このように召し上がっていただいています 」 と現場を見てもらうようにしています。
これらをもっと積極的に行えば、日本の農業も少しずつ変わっていくのではないでしょうか。若い人に従事してもらって、農業が就業率アップに貢献するようになってほしい。そこでつくられたものが私どものお店で料理になって、多くの人に食べてもらえる。お金が回って皆が潤って、心も体も豊かになるサイクルをつくっていきたいです。それをできるようにすることが 「 食文化 」 だと私は思うのです。その担い手になりたいという気持ちを最近は強くしています。これから外食を志望する人も、使命のひとつだと考えてほしいですね。
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