
― 山崎社長は、長い現場経験がおありですが、店長や料理長クラスの方がお店をやっていく上で気をつけるべきことは何だとお考えですか?
【 山崎氏 】 私どもの経営理念 「 JOY OF LIVING 」 は、飲食を通じて 「 生きている喜び 」 を感じていただくという意味です。それと同時に、お客さまが飲食をしたあとに、「 美味しかったよ 」 とか 「 楽しかった 」 といってくれたら、提供している側も生きている喜びを共感できます。そういう意識を持つことが大切ではないでしょうか。
そのために、いろいろ勉強して、たくさんの人と話をしてほしいと思います。飲食店に来る人は、皆がみんな幸せな気分というわけではありません。憂さ晴らしの人もいれば、悲しみを紛らわせようとしている人もいるはずです。しかし、帰るときには、すべての方に 「 幸せだな 」 とか 「 生きてて良かったな 」 と思わせたいというのが弊社の理念にはこめられています。極端かもしれませんが、「 これが最後の晩餐 」 と決意して来られる方もいるかもしれません。そのような時でも、働いている私たちの笑顔に救われるという可能性があるわけです。従業員の皆さんには、生きている喜びを感じてもらう場所をつくる人になってほしいと思います。 私は、よく店に顔を出しているのですが、昔から知っているお客さまからは、「 まさか、社長になるとは思ってなかったよ 」 と声をかけられることがあります。酔っぱらっていたら、「 社長になると思ってたよ 」 とおっしゃいますが、そういう話ができるだけでも生きてきた喜びを味わえますよね。
喜びを共有するという意識があれば、すばらしい店ができあがっていくはずです。なぜなら、どうすればお客さまに喜んでいただけるかを一生懸命に考えるようになるからです。目に付くところが汚れていれば嫌だなと思うし、お客さまより先にそれに気づくようになるのです。お客さまの思いを先読みして動けるようになることが、従業員教育の重要なテーマにもつながってくると思います。
― 最後に、今後のサッポロライオンおよび山崎社長の目標をお聞かせください。
【 山崎氏 】 新しいものをどんどん入れて、時代に合った業態を開発していかないと企業の将来はありません。新しい人材を増やして、変わっていくニーズにきっちりと対応していきたいと思います。お客さまの志向もいろいろと変わって、いままでのビヤホールだけでは対応できないことも現実に発生しています。それを踏まえて 「 いい会社 」 にしていきたいです。
利益志向を持ちつつも、適正な利益の中で、皆さんから尊敬される会社であり、従業員からは働いていてよかったと思われるように進めていきたい。そうすれば、150年、200年とつながっていくと思います。「 いい会社 」 を徹底的に追求して、全員で試行錯誤しながら、少しずつでも進めていけば、評価してくれる人、支持してくれる人が出てくると思っています。
競争を軸に考えている経営者は、尊敬を得られないし、長続きしないだろうと思います。外食は、昔からやっている小さなお店がいっぱいあって、それぞれが個性を発揮しています。そのお客さまを奪い取るという発想ではなく、いかに共生するかを考えていくべきです。店同士、お互いに食べにいくことも大切でしょう。お互いに勉強しながら、思いやる気持ちをもって運営していく。それが 「 いい食文化 」 をつくることになると思います。
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